

アストラヴェール
設定資料
アストラヴェール帝国軍
■ 全体概略
アストラヴェールでは原則として皇帝が全ての行政の頂点に君臨する。
軍においても例外ではなく、総軍の統帥権は皇帝が握る。
また、上部の要職には皇帝の縁戚など有力貴族が指名され、皇帝から任命を受ける。
■ 組織構成
総軍は大きく陸軍、海軍、近衛軍、領主軍に分けられる。
ここではストーリー上必要な「海軍」「領主軍」について解説する。
※★の印が付された役職は、エーレの中でごく限られた存在であり、一般の参加者がキャラクター設定に付与する事はできないので注意。
●帝国海軍 (責任者:★海軍卿)
海上警備や防衛を担当する戦力。国内の主要な港には陸軍とは別に海軍事務所が立地しており、海上警備に加えて通関業務の一部を担当している。 港湾を所有する貴族や地方氏族は私兵として強力な海上戦力を保有していることが多く、それらを作戦に徴用することでも戦力を増強している。
※帝国海軍内にはFIMSと密接に関係する「西海特別警戒部隊(略称:特警)」と呼ばれる部隊が存在し、参謀庁より直接の命を受けて動く。 階級は上位から順番に以下の通りとなっている。
★海軍卿 - ★各方大将 - ★各艦隊提督 - ★星海長(船隊長相当) - 星波長(船長相当) - 星水長(航海長相当) - 星水士 - 星水兵
●帝国領主軍 (責任者:各領の領主『星領将』)
軍と呼称されてはいるものの、正確には領主の私兵である。 領主を指揮官とし、領民や傭兵など独自の戦力で構成される。 有事の際は元帥府の助言を受けた皇帝が各領主へ号令を発し、これを受けた領主は戦力を揃えて馳せ参じる義務を負っている。 人数としては総軍のうち領主軍が4割を占めており、個々の戦力差が貴族間の格を示す指標の一つとなっている。
■ キャラクター作成時の注意
コンテンツ上、アストラヴェールで加筆されていく職業情報は、貴族や騎士、聖職者に関する設定がメインとなり、軍人の情報が詳細に追加されていく予定は現状ありません。
あくまで国家背景としての情報出しである側面が強く、ロールプレイキャラクターとしての積極的な作成を推奨するものではありません。
※領主軍に関しては、貴族の領地の設定として組み込んでいただけます。
各オリジナル領の領主軍の設定は、階級等も含め、自由に創作が可能です。

フォグコースト海洋研究所
(Fogcoast Institute of Marine Studies(FIMS))
■ 全体概略
所在地: フォグコースト
所長: アビゲイル・ラングフォード
フォグコースト海洋研究所(以下、FIMS)は、アストラヴェール国内において最大規模を誇る海洋研究機関である。
フォグコースト沿岸地域に広大な土地を所有しており、その敷地面積は周辺地域においても特筆すべき規模となっている。
研究所の表通りに面した区画は「海洋生物博物館」として整備されており、一般市民が立ち入ることのできる数少ないFIMS関連施設である。このため、FIMSに対する一般的な認識は、海洋生物の保護や飼育、展示を主とする穏健な研究機関という印象である。
実際には、研究所の真の活動内容を把握しているのは、一部の貴族、騎士、軍人など、国家機関に属する限られた立場の者に限られている。一般社会においては、あくまで「海洋生物を扱う研究・保護施設」という表層的なイメージが共有されている、という点は特記しておきたい。
※イベント「グランドクエスト 大赤鯨を討伐せよ」において、表向きに指揮を執っていたのは星教騎士団、軍関係者であり、研究者たちは作戦に同行せず、あくまで立ち会い・視察のために同席している存在として認識されていた。
そのため、多くの者にとって、彼らは作戦を裏で指揮する組織としては認識されていない。
しかし、その立ち位置や振る舞いには、単なる見学者とは言い切れない違和感があり、何かを把握している、あるいは既に知っているのではないかと感じ取られていても不自然ではない。
■ 組織構成
研究所は大きく分けて二つのセクションに別れている
海洋生態・環境部門: アストラヴェール沿岸および帝国海域の自然環境について研究・調査を行う部署。
機密情報は扱わず、海水・海流、気候変動、漁獲量、地殻変動など、一般的な海洋データの収集を担当する。
この部門が扱う書類には 青い検印 が押されることから、内部では「青紋(あおもん)」と呼ばれている。
危険海域研究部門:死海・ガント種・海域異常など、国家機密に該当する現象を専門に扱う部門。
観測データから対策案の作成まで、死海研究の中枢となる極秘部署である。
この部門が関連している書類には 赤い検印 が押されることから、内部では「赤紋(あかもん)」と呼ばれている。
隣接施設
「海洋生物博物館」職員
■ 施設
▼海洋研究所 研究区画
研究棟は一つではなく、青紋の研究棟と、限られた者のみが立ち入ることを許された特別研究棟の二系統が存在する。
青紋の研究棟では、海洋生態や環境に関する一般的な研究が行われているのに対し、特別研究棟では、ガント種の保護・観測・研究など、危険性や機密性の高い案件も含まれているとされる。
これらの研究内容は厳重に管理されており、詳細を把握しているのはごく一部の関係者に限られる。
また、死海近海に関する知見を有する一部の有識者を招き、非公開の報告会や意見交換の場が設けられているとも噂されているが、その実態についても公に語られることはない。
また、フォグコースト海洋研究所は、多数の巡視艇および調査船を保有しており、それらの整備・補修を行うための専用施設も併設されている。
港湾区域には大小さまざまな船舶が常時係留されており、研究所の港に船がずらりと並ぶ光景は、この施設の規模を象徴するものとして知られている。
▼海洋生物博物館
フォグコースト海洋研究所(FIMS)の表通りに面した区画に設けられている一般公開施設であり、研究所の顔とも言える存在である。学術的な展示や解説も備えつつ、それに偏り過ぎることはなく、誰でも気軽に立ち寄ることのできる親しみやすい国家施設として整備されている。
館内では、フォグコースト近海を中心とした多様な海洋生物の飼育・展示が行われており、子ども連れの家族や学生、観光客など、幅広い世代に親しまれてきた。フォグコーストを象徴するランドマークの一つとして知られ、地域の人々にとっては日常の延長線上にある馴染み深い場所でもある。
その穏健で開かれたイメージから、海洋研究や保護活動に携わる職員への憧れを抱く者も多く、人気の高い職業の一つとされている。
※この施設の従事者として、一般参加者による職員の作成を許可します。
(以下注意事項も併せてご確認ください)
■ 死海の研究について
※以下はアストラヴェール国籍の一部の知識人層、上流階級層のみが知る情報
アストラヴェール帝国の出資によって運営されている海洋研究所。表向きはあくまで「海洋」を調査しているとされており、海水の観測や沿岸で見つかった海洋生物の応急処置など、一般的な調査・保全活動を行う機関として知られている。
しかし実際に研究の中心となっているのは“死海”に関する調査である。
構成員のほとんどはアストラヴェール人であり、国家機密を取り扱うため他国の出身者、家族に外国人の居る者は基本的に採用されない。アストラヴェール帝国における “最も門の重い研究所” とされている。
アストラヴェール西部の死海を他国が独自に調査しようとすると、アストラヴェール船籍の巡視船に追跡されることがあるのは、この地域の調査権限を厳しく自国管理しているためである。
ガント種の出没範囲が広がり、完全な隠蔽は困難になってきているものの、国家としては『あくまで表向きは』沈黙を守り続けている。大型ガント種の討伐依頼を発令した際も、表に立つことはなく、危険性を政府に報告したうえで、あくまで“騎士団や帝国軍が中心となって動いている”という建前のまま裏から状況を誘導している。
アストラヴェール西部の死海と、ノースネイア東部の死海には、双方で特徴の良く似た生命体が見られることから、現状アストラヴェール国内ではこの2つの海域が繋がっているという説が有力視されている。
危険海域研究部門(赤紋)には多くの課が存在するが、
ここではストーリー上必要な「死海生物生態研究課」「死海生物対策課」「大型死海生物対策課」について解説する。
死海生物生態研究課:
死海海域に確認される生物を対象とし、その生息環境および行動様式を調査・分析する目的で設置された研究課。 観測記録ならびに生体データの集積・整理を主業務とする。
死海生物対策課:
死海生物生態研究課の調査成果を基に、死海海域に出没する生物への対応手法を研究するため設置された専門課。 各種対処手段の有効性検証を主業務とし、危険海域研究部門における実践的対策研究を担う。
大型死海生物対策課:
星歴3025年6月7日に発生した「赤い目のクジラ」事件――ポルトゥーラに多数の漂流者が確認され、大型ガント種の出没が疑われた事案――を受けて危険海域研究部門内に設置された新設課。危険海域研究部門の中から選りすぐりの人材が集められている。
■ 一般参加者が作成することができるキャラクター設定について
「赤紋」に関連するすべてのキャラクター設定については、物語の進行上の都合により、一般参加者による作成を行うことはできません。一方で、「青紋」に該当する海洋生態・環境部門および海洋生物博物館の従事者については、一般参加者による職員キャラクターの作成を許可します。
ただし、これらの立場にあったとしても、研究所が実際に行っている活動内容や、死海・ガント種に関する事項など、非公開とされている研究領域について知ることはできません。
一般に認識されているのは、あくまで海洋の研究や生物の保護・飼育を担う国家施設としての側面に限られるという点を、必ず厳守してください。
また、隣接する建物の存在から、赤紋の職員が在籍していること自体は認識されていても、その認識は「戦闘に同行する可能性のある研究者がいる」という範囲を超えるものではありません。
違和感や不自然さを覚える、といった表現を含むRPを行うことは可能ですが、実際に内部事情へ踏み込む設定や、機密情報を把握・漏洩する設定を付与することはできません。
また、青紋・赤紋を問わず、フォグコースト海洋研究所は国内でも最も厳格な国家機関として知られており、職員の採用にあたっては高い基準が設けられています。
採用条件としては、概ね以下のような要件が求められます。
-
アストラヴェール国籍を有していること
-
一定水準以上の学力・専門知識を備えていること
-
身元および経歴が明確であること
これらの基準により、犯罪歴のある者や外国籍の人物が研究所職員として採用されることはありません。
一方で、海洋生物博物館の従事者については、研究職とは異なる立場とされており、現実における「水族館の飼育員」に近い役割に留まります。
そのため、研究者としての在籍には該当せず、最低限の身元確認が取れていれば、国籍を問わず在籍が可能とされています。また、常勤職員に限らず、アルバイトや補助的な立場での所属といった設定も許可します。
一般参加者がキャラクター設定に付与することができない例
-
元赤紋で、現在は青紋の研究員である
-
犯罪者、犯罪歴のある者、または身元が不明確な人物の在籍
-
青紋の立場を利用して赤紋のセキュリティを突破し、研究情報を取得・介入する
-
他組織の注意事項と同様、組織の長である「海洋生態・環境部門の管理者」「館長」等を名乗ること
など
※注意
フォグコースト海洋研究所(FIMS)の赤紋研究員・職員は、メインストーリーおよび各イベントにおけるNPC・スタッフとして登場する立場となり、一般参加者の方がキャラクターとして作成することはできません。
研究所自体の組織創作を行いたい場合は、ガイドラインやQ&Aで推奨されている規模観を守り、FIMSとは完全に独立した“別組織”を創作してください。FIMSはエーレにおける死海研究の最高峰であり、外部の研究機関がこれを上回る知識・技術・設備・権限を持つことはできません。創作の際は、この前提を必ず守ってください。
関連リンク
マジスタ侵攻
■ 滅亡した国「マジスタ魔導王国」
マジスタ魔導王国は、ヴァンドヴァレーヌ以東の半島部を領土としていた魔導国家である。首都ゾルグラントは北東部に位置し、水源と山岳に囲まれた肥沃な都市であった。同時に、周辺の地形は防衛に適しており、都市南部にはダルグロス魔壁城塞と呼ばれる大規模な砦が築かれていた。

経済面では、魔道具制作と農業が主要産業であった。各種資源の自国内生産率は比較的高く、平時においては輸出入へ大きく依存せず他国との交易も少ない、自給自足的な体制を保っていた。しかし、ベルギアほど広大な国土を持たないマジスタが真に豊かな国家であったとは言い難い。戦時には外部からの物資補給が必要となり、この点がのちに戦局へ大きく影響することとなる。
■ 政治体制と社会構造
マジスタの政治体制は、魔術師による寡頭政治であった。王家は存在していたが実際の政治権力は高位魔術師による評議会が握っており、王族は象徴的存在に近かったとされる。評議会は魔法技術の発展と国家防衛を重視したが、その閉鎖的な性質から外交には疎く、周辺諸国から警戒されることが多かった。 また、マジスタ社会の特徴として、魔法適性による階級化が挙げられる。高い魔法適性(つまり、強靭な魔力路)を持つ者は貴族階級として扱われ、反対に適性の乏しい者は労働階級へと固定される傾向が強かった。この制度は魔法によって成り立つとされるマジスタにおいて基本となる制度であったが、実際には出生や素質によって人生の大部分が決定される仕組みであり、国外からは強い批判を受けていた。また、国外のみならず国内の労働階級からも強い反発があったとされ、労働階級の民の中には国外へと亡命する者も少なくなかった。 これが後述する人口減少を招いたとされる。
■奉公人制度と国際的批判
マジスタでは人口の減少に伴い、他国から魔法適性のある子どもを奉公人として雇い入れる制度が存在していた。名目上は貧しい家庭への支援、あるいは才能ある子どもへの教育機会の提供とされたが、奉公人に給与は支払われず、保護者へ金銭が渡される形式であった。 そのため、この制度は実質的な人身売買であるとの批判を受けた。とくに各国の貧困層の子どもが対象となることが多く、マジスタの閉鎖的な国家運営や魔法適性を重視する社会構造とあわせて、国際的な不信を高める要因となっていた。
■開戦の経緯
マジスタ侵攻の直接の契機となったのは、マジスタがペルベヌアの魔法による操船技術を求め、ペルベヌア・アストラヴェール間の航路へ武力的介入を行ったことである。この行動は交易の安全を脅かすものとして諸国の批判を招き、とりわけアストラヴェールにとっては看過しがたい軍事的挑発と受け止められた。 星歴3020年1月14日、アストラヴェールはマジスタに対して宣戦を布告した。戦争は短期決戦を目的とした侵攻戦として開始され、以後、アストラヴェール軍はマジスタ領内へ進軍していくこととなる。
■戦争の推移
開戦後、アストラヴェール軍は短期決戦を目的としてマジスタ領へ侵攻した。戦闘は魔道具や魔法兵による砲撃戦が多く、前線では視覚・聴覚への障害を負う兵士が続出した。マジスタの魔法兵器は、単に敵を殺傷するだけでなく、閃光や轟音によって感覚を奪うものも多かったとされる。そのため、戦後には聴覚障害や視覚障害、さらには戦場の記憶に苦しむ兵士も少なくなかった。 一方で、アストラヴェール側の士気は比較的高かった。戦争の発端を作ったのがマジスタであるという認識に加え、ペルベヌアの協力によって兵站が安定していたためである。食料、薬、弾薬、魔力結晶、武器などは前線へ継続的に送られ、アストラヴェール軍は短期決戦を支えるだけの物資を確保していた。
■終戦と国家解体
星歴3020年6月18日、マジスタ側代表団は降伏文書に調印し、戦争は終結した。主たる政治機関とされたゾルグラント魔導評議会は即時解体され、マジスタ魔導王国は国家としての機能を失った。 王族については、政治的実権を持たない象徴的存在であったと判断され、処刑は免れた。彼らはアストラヴェール国内に幽閉され、比較的手厚い待遇を受けたとされる。これは旧マジスタ国民との融和を図るための政治的判断でもあった。 一方で、評議会に属していた高位魔術師、貴族、研究者のうち、戦争犯罪や非人道的研究に関与した者は裁判にかけられた。責任の重さに応じて、処刑、国外追放、幽閉などの処分が下された。 高位貴族の多くは名目上「市民」として扱われたが、実際には監視対象となり、かつてのように表舞台へ出ることは難しくなったとされる。
■アストラヴェールによる旧領統治
旧マジスタ領は複数の新行政区画に分割され、当初はアストラヴェール政府直轄の軍政下に置かれた。その後、段階的に民政へ移行し、一部地域では地元出身の協力者、いわゆる転向官僚が登用された。これは急激な支配体制の変更による混乱を避けるためであり、同時に旧マジスタ国民の反発を和らげるための同化政策でもあった。
■戦後の治安問題
戦後処理は順調なものばかりではなく、終戦から三年ほどは、旧マジスタ国民の一部による武装蜂起などが散発した。これに対してアストラヴェール国内の武装組織や傭兵団が鎮圧に投入され、旧領各地では不安定な治安状況が続いた。 もっとも、旧マジスタ国民の中には、戦前の社会構造に不満を抱いていた者も多かった。理不尽な階級制度や、評議会による閉鎖的な統治に反感を抱いていた層は、アストラヴェールによる新体制を必ずしも拒絶しなかった。そのため、反乱や残党活動は時間の経過とともに徐々に鎮火していった。 しかし、それに伴い別の問題も生まれた。戦中および戦後初期に活動していた傭兵団や武装組織は、残党討伐や治安維持の仕事を失い、急速に行き場をなくしていったのである。仕事を失った兵士や傭兵の一部は、密輸、強盗、違法な護衛業などに流れ、アストラヴェール国内の治安悪化を招いた。
■歴史的意義
マジスタ侵攻は、一つの国家を滅ぼした戦争であると同時に、戦後の世界情勢に多くの影響を残した出来事であった。魔法技術の軍事利用、魔法適性による身分制度、戦後占領政策、武装組織の肥大化と失業。これらの問題は、いずれもマジスタの滅亡とともに消えたわけではない。 むしろマジスタ侵攻は、現代エーレにおいて、魔法と国家、技術と倫理、そして戦争によって生まれた力を平時にどう扱うべきかという問いを、改めて各国へ突きつける契機ともなったのかもしれない。